Mission

サステナブルな未来を育む“遺伝子”を、社会に届ける。


サステナジーン株式会社 代表取締役 乾 善彦

創業2022年2月から遡ること、2年。2020年にサーキュラーエコノミー(循環型社会)先進都市と言われるオランダ・アムステルダムに、サーキュラーエコノミービジネスを体感しようとプライベート視察に行ったことが、このビジネス・ブランドを立ち上げるきっかけだ。

今、地球温暖化危機が叫ばれて久しく、資源の無尽蔵な消費は持続可能ではないことがわかり、リニア消費社会から循環型社会へのシフトが求められている。

オランダは日本と同じく資源の乏しい国。だからこそ、廃棄物や価値がないと見なされていたものを新たな資源として生まれ変わらせようと、政策や企業のビジネスモデル、さらには市民生活も資源循環型へと転換が進んでいる。政府は、2050年までに100%サーキュラーエコノミー化を実現すると発表している。


そのような活動・ビジネスはオランダ国内に限らず、全世界に当てはめられ、社会的価値とともに経済的価値も大きい。そのような両方の可能性を追い求めるオランダ人の姿がとても印象的だった。

オランダは小さい国である。夏は短いし、冬は天気が荒れがちで、晴れ間が見えたかと思えばすぐに天気が崩れ雨が降る。そんなオランダだからこそ、ひと時の夏、つかの間の晴れ間を謳歌するかのごとく、人びとはチャンスと思えばすぐに飛びつき、チャレンジし、実験し自分の仮説が正しいか証明したくなるんだと思う。
リソースも時間も限られてるんだから、無駄なことはしてられない、楽しまないと意味がない、とでもいうように。




 

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オランダ視察旅行のあと、サーキュラーエコノミーに関する事業の立ち上げをしたい、と漠然と考えていた。

自然に囲まれた奈良の田舎で育った僕は、物心ついた頃から生物に特別興味を持ち、大学では農学の道に進み、なかでも分子生物学分野の研究に没頭していた。
その様な興味関心、専門性もあり、微生物を絡めてサーキュラーエコノミーを実現できると面白そうだとも考えていた。

サーキュラーエコノミーの要は、利用され廃棄されたものをリサイクルし、改めて資源として利用することだが、これは生物界では微生物が担っている。

 

そのように、サーキュラーエコノミー x 微生物でぼんやり考えていた時に出会ったのが、発酵飲料のKombucha(コンブチャ)である。コンブチャを培養してできるシートは、セルロースファイバーからなるシートであることにとても興味を覚えた。試しに培養してみると、紙のような革のような、しかしどちらでもない質感にとても魅力的であった。




 

合わせて、ファッション業界ではサステナブルシフトが進んでおり、脱炭素化や、キノコ由来のヴィーガンレザーなどのサステナブルな新素材が求められていることもわかった。

Kombuchaのセルロースシートはアカデミアの世界では古くから研究されてきた素材であり、テキスタイルや濾過フィルターなどなど、さまざま応用が示唆されてきたが、商業的に応用が進んでいるレベルにはまだない。しかし、このサステナビリティが求められる現代において、やっと陽の目を見ることができるのではないか?

これはチャンスだ。Kombuchaのセルロースシートで、サステナブルなファッション用素材を開発する事業を開始した。

 

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それから3年以上かかり、ようやく胸を張って世に出せるレベルになった。
決して順調なことばかりではなかった。酢酸特有の匂いや、糖分によるベタつきを落とそうとすると強度や耐久性も低下してしまうという壁に阻まれたりもした。実験を繰り返すには自宅では収まりきらず、倉庫や古民家を借りて、一人研究に明け暮れた。何度も開発をあきらめようと思った。

しかしその都度、様々なご縁や友人のアドバイスで光明を得て、ここまで来ることができた。友人の言葉。「大切なのはあきらめないこと。」

まだまだ課題の多い素材・プロダクトかもしれないが、ぜひ BHOPE のプロダクトを手に取り、その独特な質感と、可能性を感じて頂きたい。

乾 善彦

YOSHIHIKO INUI

サステナジーン株式会社 代表取締役

BHOPE ブランドプロデューサー

北海道大学大学院農学研究科 卒業・農学修士

運営会社

サステナジーン株式会社

Sustainagene.jp